an’s diary ⚓︎

イギリスセラピー留学を経て、豪華客船で働く船上スパセラピストへ。海外生活の話や旅日記、美容・健康情報などを綴っています。

ストレス学説とエステのおはなし

少し前に、森柾秀美先生のインスタライブやBWJのウェビナー(オンラインでのセミナー)を視聴した際に、教えていただいたお話。

 

相変わらず小難しい話がすっと頭に入ってくる、素晴らしいプレゼン能力の持ち主の先生。なるほど〜!ふむふむ、と今回も夢中で聞き入ってしまいました。

 

 

 

ストレス学説とは

1935年に、カナダの生理学者、ハンス・セリエ博士が発表された学説。

今でこそ「病は気から」なんていう言葉があるけれど、それまでの医学の分野は外科手術が最先端。精神的なことから病気になるという考えは、医学の世界ではなかなか認めてもらえなかった時代。そんな中、先生はあるストレスが持続的に身体に加わると、段階を経て症状が進行すると提唱。また「ストレスにはレベル(段階)がある」といっています。

 

主に初期(警告反応期)、中期(抵抗期)、末期(疲弊期)の3段階に分けられ、それぞれの時期に現れる精神的な面の特徴などが記されています。

 

今回森柾先生はエステティシャン向けのお話ということで、エステのお話と絡めてストレス学説の考え方が表情にも影響を及ぼし、顔や身体の強張る部位、つまり凝りを感じる部位にも変化がある、というようなお話をしてくださいました。

 

詳しくは先生のインスタライブがアーカイブに保存されているので、興味のある方はぜひみてみてください😊

https://www.instagram.com/tv/CAcmJzfA5rQ/?igshid=vwpeyf3wyzpp

 

エステティシャン、セラピストに関わらず、人として、自分の心身の健康のためにも知っておいて損はない内容だなと思いました。もっと早く知りたかったな。

 

一応簡単に記しておきます。

 

初期(警告反応期)

・緊張 → ストレス

・どうなるこれ、と様子を見ている時期。

・戦った方がいい?逃げた方がいい?見過ごした方がいい?まだ判断ができないとき。

・その時に使う筋肉は、様子見で五感を研ぎ澄ませているからか、目・耳まわりのこわばり、またに力も入っている。

 

 

中期(抵抗期)

・ストレス → 不定愁訴

・敵が明確になって、戦っているとき。

・戦っているので、筋肉は真ん中、中心ゾーンが収縮。眉間、小鼻、口角、喉、みぞおちなどに影響が出やすい。

・この時に一番ストレスのことを口にする、といわれている。

(初期の時は、聞かれても上手く説明できない。「何かあったの?」と聞かれても濁したような表現しかできないとき。隠しているわけではない。)

・筋肉は形状記憶するから、無表情の時でも顔に影響が出る。疲労は老化にもつながる・・・注意が必要。

 

 

末期(疲弊期)

・不定愁訴 → 病

・文句を言う元気もない。もうどうでもいいや、勝手にすれば、となる。今までこだわったことも何も感じなくなる。

・表情筋が、全体的にだらんと弛緩する体温、皮膚温の低下 → 免疫力低下

(こういう時は、かなり溜まっている時期なので身体も痛いはず。ほぐしてあげる。フェイシャルのみご希望でも、うつ伏せから、背中や足先から入る、など工夫すると良い)

 

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以上、本当にざっくりなので、森柾先生のインスタライブなど先生が発信されているものをみた方が頭に入りやすく、自分自身の生活やお客様のケアにも活かせると思います。

 

 

あ〜あの時のあれは病の一歩手前だったのかもしれない・・・と思い当たる節が私にもあります。そういう時の精神状態って、自分を客観的にみて分析できるようなものでもないのかもしれないけれど。

 

一見明るく見えても、実際は何かと戦っている人って結構いる。子育て中の方とか、程度の差はあれど、親の介護をされている方とか。糸がピンっと張ったような状態で、かろうじて保っているけれど、何かの拍子にダダダっと崩れてしまうことも。

 

ストレスって行き過ぎると本当に危険。日本は昔から根性論みたいなものが根付いているから、なかなか抜け出せない人もいるのかな、と思う。だいぶ変わってきてはいるのかもしれないけれど。

 

身体は正直、何かしらSOSのサインが出てる、だから決して無理をしないで、それを見逃さないようにしよう、お客様だけでなく身近な家族、友人、そして自分自身のサインも。そんな風に思えるお話でもありました。

  

ここ数ヶ月の間に、世界中の、多くの人々の生活スタイルが変わり、中には人生を大きく狂わされてしまった人もいる。ピンチをチャンスに、とはいうものの、心がきちんとついていっていないこともあるかもしれない。

私たちエステティシャン、セラピストは、一般的にはお客様の身体に触れる、外側に携わる職業に見えるかもしれないけれど、回数を重ねたり、中には一度担当をしただけでも心に触れる瞬間ってたくさんあって。色々と文字で知れば知るほど、心と身体は密接な関係だなとも思うし、何より現場に入ってお客様と接するとより実感します。

 

エステに関する技術や理論を学ぶだけでなく、多角的な視点を養うためにもこういう学説を学ぶことも大事だなぁと改めて感じ、シェアしてくださった森柾先生に感謝。

 

またこのストレス学説に関する他の文献などをみてみると、当たり前ですがもう少し内容が深く、難しい内容もあります。時間のある時にもっとしっかり落とし込みたいと思う内容でした。