クリーンビューティーをうたうブランドの一つ、bareMinerals(ベアミネラル)が公式サイトで公開している、ビューティープロファイル診断がなかなか面白い。
「あなたの美容意識は昭和?令和?」ということでドキドキしながら行ったけど結果・・・
令和認定、クリーンビューティー偏差値は63(高)取れました!
Yay!😎✨
— an⚓︎ (@alice_wellwalk) 2020年5月31日
あなたの美容意識は「令和」、クリーン ビューティー偏差値は「63 (高)」でした
ベアミネラルの「ビューティープロファイル診断」診断結果#クリーンビューティー #ベアミネラル #ビューティープロファイル診断 https://t.co/YF9eqJ38KC
1. クリーンビューティーとは
さて、日本でも最近クリーンビューティーという言葉をちらほら聞くようになってきました。「クリーンビューティー」とネットで検索してみると、ここ数ヶ月以内の記事ばかりのようなのでまだまだ知らない人も多そうだし、ある意味これからのトレンド、という印象。実際に「美容業界のこれからのトレンド」とも言われています。
「Clean(クリーン)」な「Beauty(ビューティー)」・・・?
「清潔」な「美容」・・・?
簡単な英語だけど、わかるようでわからないような。イメージしやすいけれど、一体どういった意味で「クリーン」と呼ぶのか。
クリーンビューティーに限らず、サステナブルとかオーガニックとか、グリーン、エコ、ヴィーガンなど、美容業界でもよく使われるこのような単語も、横文字が多くてわかっているようでわからない、もしくは勘違いをしてしまう人も多そう。ナチュラルとオーガニックの違いも未だに曖昧な人もいるだろうし。
かく言う私も専門家のように説明しろ、プレゼンしてみろと言われてもきっと上手く説明できないので、偉そうなことは言えない。実際に定義などそれぞれ曖昧な部分も多いし。
クリーンビューティーについても同じで、色々調べてみたところ、実は明確な定義はまだされていないようでした。専用の認証マークもありません。ただまとめると、だいたい以下のようなことが特徴として挙げられるのかなと、この方の意見に私も賛同したので引用させていただきます。
クリーンビューティはいくつかの要素があるとされますが、ざっくり言うと
(1)体に害となるような成分を含んでいない
(2)自然・天然の原料を用いている
(3)環境や動物に配慮している。
これらを満たしている化粧品のことを指します。
「クリーン」は直訳すると「清潔」を意味するので、元々は汚れたもの、つまりは「体に害となるもの」を含まないという(1)の概念を指すことが多い印象です。体に害を及ぼす可能性があるもの(賛否両論ありますが)で主流なのは、パラベンやシリコーン、フタル酸エステル、人工香料、防腐剤などですね。こういった成分が着目されたのは、ジムに通ったり、食事にこだわったり、健康に気を使う人が増える中で、肌に直接塗布する化粧品の成分にもこだわる人が増えたことが背景にあります。その影響もありケミカル=体に悪いと言うイメージが広まってしまい、その結果(2)植物性や天然の原料を用いることが増えていきました。だからクリーンビューティブランドとうたうブランドは、自然の恵みを生かした製品を作っている印象がありますね(もちろん、最初から植物に着目したブランドも多くあります)。ちなみに注意すべきなのは、処方が100%植物・天然成分で作られているとは限らないこと。中にはメリットがあり安全なケミカルを製品に配合しているクリーンビューティブランドも多くあります。
そこからさらに進み、体に“優しい”処方であっても、環境に“優しくない”処方は、今の消費者はネガティブに捉えます。だから最近は(1)と(2)に加え、サステナビリティに配慮することもクリーンビューティの一部と捉えることが増えています。それはパッケージにプラスチックを使わない、もしくはリサイクル可能な素材を使うということだけでなく、製品を世に送り出すまでのプロセスだったり、使い終わった後のことも考えることです。例えば製品を作る工程で水の量をなるべく少なくしたり、使い終わった製品はレフィルする・空容器を回収するなど、その関わり方は多岐に渡ります。また、クルエルティーフリー(動物実験を行わない)だったり、ビーガン処方にもこだわるブランドもあります。
(引用元:ビューティ業界の次なるトレンド、“クリーンビューティ”って何?ポジティブなイメージの裏に潜む懸念も | WWD JAPAN.com)
すごくまとまっていたので、まるっと引用してしまいました。。。
また上にトレンドと書きましたが、世界的にもゆっくりとだんだん浸透してきた、というよりかはいきなりムーブメントというか、わっと広まっている、取り扱う(というか「クリーンビューティー」を謳う)ブランドが急激に増えてきているようにも見えます。
2. クリーンビューティーの市場規模
アメリカでは2016年には110億ドル(約1兆2000億円)だった市場が、2024年にはその2倍の、およそ220億ドル(約2兆4000億ドル)にまで成長する見通しだそうです(下にリンク、Forbesより)。
そんなに流行を追うタイプではないけれど、自分が身を置く業界の情報は、最新のものを収集したい、そう思って調べていたらそのスピード感に驚きました。
3. クリーンビューティーなブランド
まず、一番はじめに挙げたbareMinerals(ベアミネラル)は昨年リブランディングし、クリーンビューティーを大々的に謳っているようです。公式HPにもクリーンビューティーのページがあります。
そして同じ資生堂つながりのDrunk Elephant (ドランクエレファント)。
私も好きでよくチェックしていたjane iredale(ジェーン・アイルデール)もそうだったみたい。ファンデーションを調べていたら偶然知りました。
それからイギリスにいた頃からお世話になっている、私も大好きなNeal's Yard Remedies(ニールズヤードレメディーズ)。元々容器をリサイクルしたり、肌や環境にやさしい日焼け止めをいち早く出したり、クリーンビューティーという言葉が生まれる前からそのような活動をしていたブランドなのかなと思います。数年前からクリーンビューティーに関連するイベントも行っていたみたいです。
WELEDA(ヴェレダ)、AVEDA(アヴェダ)、LUCH(ラッシュ)なども同じように元々のブランドコンセプトが環境や身体にやさしいというものだと思います。
他には2011年にシアトルで誕生したというブランド、Herbivore Botanicals(ハービヴォア ボタニカルズ)。こちらは最近知ったブランドなのですが、スクラブとクレイマスクが特に気になっています。ただいまS0LD OUT中。
クラランス、アムリターラ、メルヴィータ、出てくる出てくる・・・!
と、ここまで色々調べて、「クリーンビューティー」って本当に幅が広いな、と思いました。別にオーガニックやミネラルにこだわっているわけでもなく、実際にオーガニックの中でも環境によくないこととかも意外とあるそうで、すごく難しいです。
4. 私個人の考えなど
動物実験に反対という動きは今は多くのブランドに浸透していて、当たり前のように「NO ANIMAL TESTING」といううさぎのマークを目にしますし、そこに対しては私も良いことだと思います。ただ聞くところによると実際に動物実験をしているのは化粧品メーカーではなく原料メーカーだそうで・・・。原料開発も行っているメーカーは別ですが、そもそも原料を買っているだけの化粧品メーカーが動物実験を行わないのはある意味当たり前のこと、とのことでした。う〜ん、こちらも闇が深い。私もまだまだ知らないことがたくさんあると思うので一概には言えないのですが・・・。
またヴィーガン=動物にやさしい、というような動物愛護のイメージを持っている方もいると思いますが、環境に配慮してヴィーガンになる、という方がいるということを理解している日本人はまだ少ないかもしれません。
私は今のところヴィーガンではないし、オーガニックのものだけしか使用しないというわけでもありません。これじゃなきゃだめ!という強いこだわりはあまりないのですが、選んだものを振り返ると、自然な香りに近いものが好きだし、パッケージが豪華すぎて高価なものにはあまり興味がありません。とは言えプレゼントでいただいたりするとすごく嬉しいけれど。
職業柄もあり色々なブランドのスキンケアやコスメを試したくなりますし、知っていないとお客様に良いアドバイスができないんじゃないかと思うこともあります。でも、あれもこれもと買いあさっていたら懸念点がたくさん出てきてしまい・・・
・化粧品にも期限があるので全部使い切れない
・いくら肌にやさしいと言われても化粧品は化学物質の塊。敏感肌ではないけれど、そんなに次から次へと色々な化粧品を肌につけるって冷静に考えるとちょっと怖い
・お金もかかる
→ つまり、もったいない。
大きな肌トラブルもなく、特に変える必要のないものは滅多に変えません。顔は特に。その分ボディは割と色々試します。もちろん年齢と共に考えることはあるし、四季のある日本では季節の変わり目でスキンケアの見直しが必要なものもあるかもしれません。
船で働き始めてから特に、環境に対する意識が高まりました。都会にいると忘れがちな自然の偉大さ、美しさ。完璧にはできないし、人に強制するのは好きじゃないけれど、自分ができることは行動していきたい。
この前エシカルについて学び、下の記事も書きましたがまだまだ知らないことや不透明なことも多く、本当に難しい問題だなと思います。クリーンビューティーについても、今後も各ブランドの動きに注目しつつ、自分の使用するものや取り入れるものの一つの参考にしていきたいと思います。
今更聞けない「エシカル」って何? - an’s diary ⚓︎
<その他の参考文献>
Clean Beauty: How Do You Know What’s Worth Your Money?
成長続くコスメ業界、重視されるのは「クリーン・ビューティー」 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
知らなきゃ損! 次なる美容界のトレンド、「クリーンビューティー」とその見分け方
https://beautytech.jp/n/nbc92427e4d16
資生堂が米クリーンスキンケアブランド「ドランク エレファント」を買収 | WWD JAPAN.com
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