an’s diary ⚓︎

イギリスセラピー留学を経て、豪華客船で働く船上スパセラピストへ。海外生活の話や旅日記、美容・健康情報などを綴っています。

進む、嗅覚のデジタル化

 

今日知ったこちらのニュース↓

におい数値化で体調管理 凸版印刷、センサー・AI活用: 日本経済新聞

 

凸版印刷は電子部品のI-PEXと組み、小型センサーと人工知能(AI)を組み合わせて、においを数値化するサービスを始めた。人間の五感のうち嗅覚はデジタル化が遅れていたが、超微細加工技術やAIの進化で実用段階に入る。今後は体調管理や食品の鮮度測定など幅広い分野で応用を見込む。センサー技術に強い日本企業はにおい分野でも世界に存在感を示せる可能性がある。 

 

私は会員ではないので全て読むことはできなかったのですが、別の記事にも詳細がありました↓

robotstart.info

 

ちょっとイメージしにくいかもしれませんが、この動画がとてもわかりやすかったです!

youtu.be

 

匂いを見える化するデバイス、「noseStick」・・・・・すごい!!!

いつの間にかこんなに進歩していたのですね!

 

 

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写真と一緒に香りを送る・・・もう可能なの?!他の技術などと組み合わせて、香りまで体験できるバーチャルトリップのようなことまで実現できてしまう日もそう遠くないってこと?!?!

 

 

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技術の継承に関しては、現場の職人さんたちの意見がどうなのか、どのくらいの精度なのか、などこれだけでは不透明な部分もありますが、後継者問題などを考えると救世主的な存在になるのかも(よく知らない分野の為的外れなことを言っていたらすみません)。

 

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危険予知も視覚だけでなく機械が匂いを察知して防ぐことができるのであれば、それは画期的なこと。スマート農業やフードロス削減、ヘルスケアに関しても期待が持てます。

 

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記事や動画にも触れられていますが、匂いは私たちの健康や安全とも深く関わっています危険を察知し(食べ物、ガスの匂いなど。ガスは異常があった際に嗅覚で危険を察知できるように香り付けがされているそうです)、記憶を呼び起こすきっかけにもなり得る(脳との関わり)、など。日々様々な分野の専門家の方々が研究を進めてくださっています。

 

アパレル会社や航空会社のラウンジなど、企業もブランドコンセプトの一つとして独自の香りを作成しているところも増えています。そうすると、過去の記憶が蘇ってくるあの不思議な感覚・・・!

 

嗅覚については私もアロマセラピー、香りに携わるものとして非常に興味深く、アンテナを張って少しずつですが学んでいるところ。

 

<関連記事>

ヒューマニエンス 〜 “嗅覚“ 生命のバロメーター 〜 - an’s diary ⚓︎

『アノスミア - わたしが嗅覚を失ってからとり戻すまでの物語 -』 - an’s diary ⚓︎

基礎に戻ることの大切さ - an’s diary ⚓︎

etc.

 

嗅覚の研究、人々の捉え方について特に大きな動きがあったのは、2004年以降と言われています。まだまだ最近といえば最近の出来事です。

 

1991年にリチャード・アクセル博士とリンダ・バック博士の2名が共同で嗅覚受容体に関する論文を発表し、2004年にノーベル医学生理学賞を受賞。受賞理由は、主に「匂い受容体遺伝子の発見と嗅覚メカニズムの解明」

 

ちなみに世界的に有名な心理学者、フロイトは人間の五感に強い関心を示していましたが、唯一関心を持たなかったのが「嗅覚」。そして彼に師事した精神科医も「文明の発達した現代人には嗅覚は必要ない」と言ったとか(!)

- 『ヒューマニエンス〜"嗅覚"生命のバロメーター』の冒頭より

 

フロイトの生きた時代が1856〜1939年(Wikipediaより)ということなので、この100年未満の間に随分と時代は変わるなぁと改めて感じています。この数十年が異様なスピードなのかもしれないけれど。

 

嗅覚とか香りって、実際に私の周りでも重要視していない人は多いと思う。香りと聞くと、「おしゃれ」「ファッション」「丁寧な暮らし」みたいなものと結びつけられがちだし、実際に私も高校生くらいの頃は香水のことは「くさい」とあまり好きではなかったです(多分なんとなく付けている人が多くて付け方が間違っていたことも一因にあると思う)。「可愛い瓶を集めて飾るもの」みたいな認識の人もいたし、とりあえずなんとなく「イケてる人(古い笑)」みたいなイメージが欲しくて付けていた人もいるはず。

 

また香りが苦手、気分が悪くなるという人がいるのも事実です。ただその、特定の香りが好みでないという話ではなく、化学物質過敏症が深刻な問題になっている、と度々耳にすることも。「香害」という言葉も聞くようになりました。無知でいると相手を不快にしたり、傷つけてしまうことがある。気をつけなければならないな、と身の引き締まる思いです。

 

香りの歴史を辿っていくと、昔は町中が臭かった(下水やゴミなどの生活臭、動物や人の死体の匂いなど・・・)、その匂いを抑えるために香りが発展していきました。体臭予防も。ファッション、という感覚もあったと思います。クレオパトラの話など。

また、古代では神に祈りを捧げる祈りやミイラの保存に使われた、という記録もあります。それから建物を建てる際など、木材の腐敗を避ける(防腐作用)として、魔除けなど。そしてまだ今のような薬が開発される前は薬草・ハーブなどを使って治療行為を行なっており、精油を使った研究や発表もされた、病気の予防の観点からも香りが使われるようになりました。

ちょっと時系列がバラバラなところもありますが、様々な文献からも香りが人々の暮らしに当たり前のように身近にあった、ということがわかってきています。

 

今は科学の発展からそれが迷信だとか宗教だとか、本当に効果があるかエビデンスが乏しいなど色々な説があるものもありますが、当時の人々にとってはそれが最前線だった、ということでもあります(ちなみに私は精油が薬になる・治療などの医療行為に該当するとはもちろん思っていません!それについては別記事などに何度か書いています)。

 

でも、心地良い、と思う香りを嗅ぐことによって呼吸が深くなり、私たちの身体をサポートしてくれる可能性(自律神経やホルモンバランスへの影響など)は私もすごく注目している分野です。

 

現在の私たちの生活でも無意識に使っている大事な感覚の一つ、嗅覚。

この食べ物まだ食べれるかな?と腐っているか確認するときにクンクン、と確認するし、

料理人の方々、グルメな方々は鼻からの感覚もすごく重要視しているはず。

本能的に匂いがNG!と思った人はほとんどの場合パートナーには選ばないし、

ガスや煙の匂いを察知したら「危ない!」と思う。

 

 

今、某ウイルスの後遺症で嗅覚を失ってしまった、嗅覚がなかなか戻らない、という人がいるそうですが、その方たちの心情を思うと本当にいたたまれない気持ちになります。風邪などでもたまに嗅覚の感覚がなくなってしまったとき、そのときになって初めて「生活に彩りがなくなった」と気づくこともあると思います。視覚や聴覚などと違って、失った時の感覚が分かりにくいし、他人から見たらその辛さはなかなか理解してもらえないかもしれない。

 

嗅覚を失うと、昔の記憶さえあやふやになってしまうこともある。

 

他の感覚と比べるとまだまだ研究が始まったばかりの分野ではありますが、きっとこれからもっと進んでいくはず。期待を込めて!

 

 

ちなみにnoseStickはこんなに小さなデバイスみたいです。

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こちらの記事(2021年5月29日)も興味深かったです↓

「香りのデジタル化」で私たちの生活は激変する 匂いをデジタルで送って再現することも可能に(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース

 

 

<その他参考資料>

匂い受容体遺伝子の発見:香りを感じる嗅覚の全貌解明への手がかり-ノーベル賞解説- | 生物化学研究室

東京大学大学院 東原 和成 教授|アロマの現場

『アロマセラピーパーフェクトBOOK(アネルズあづさ 著)』

『アノスミア〜わたしが嗅覚を失ってからとり戻すまでの物語(モリー・バーンバウム 著)』

『医者がすすめる科学的アロマセラピー(永井 克也/富 研一/ベンゼル 智子 著)』

 

 

 

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