an’s diary ⚓︎

イギリスセラピー留学を経て、豪華客船で働く船上スパセラピストへ。海外生活の話や旅日記、美容・健康情報などを綴っています。

最近読んだ本②『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』

 

①の本につづいて、最近読んだ本の2冊目(少し時間が経ってしまいましたが・・・)。

 

こちらもエビデンスを基にした健康に関する本で、ベストセラー。2018年に出されたもので、重版になっています。

 

2. 世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事

f:id:wellwalk:20210226143329j:plain

 

 

 

一個人の経験談よりエビデンス(科学的根拠)!ということで様々な研究データを分析し、その中でも「エビデンスが強い」とされる食事法などが書かれた本。

 

研究内容が書かれた論文自体は外国語だったり難しい言葉で書かれていたり、なかなか読みにくいものですが、こちらの本はそれを噛み砕いて図や表を交えながらとてもわかりやすくまとめられており、スッと頭に入ってきます。

 

「それって実際どうなの?」というコラムもすべて面白かったです。

 

覚えておきたいなと思ったことがいくつか。 

  

本当に良い食品って?

 一つ目は、数多くの信頼できる研究によって本当に健康に良い(=脳卒中、心筋梗塞、がんなどのリスクを下げる)と現在考えられている食品の中でも、不動の5つとされるもの

 

①魚

②野菜と果物(フルーツジュース、じゃがいもは含まない)

③茶色い炭水化物

④オリーブオイル

⑤ナッツ類

 

そうそう!他の本や、映画などの動画にもやはりこれらは不動という印象です。

数年前に何かの本を読んだときにも、オイルにも色々あるけれど、やはり様々な研究結果からもオリーブオイルに勝るものは今のところなさそうだ、というようなことが書いてありとても印象に残っています(ココナッツオイルは諸説あるよ〜とか。だから「私は美容のために全部ココナッツオイルにしています!」という人は、少なくとも医療従事者の方にはあまりいない気がする・・・)。

 

ジュースに関しても同様で、液体、特に空腹の時に初めに摂取するものが甘い飲み物だと血糖値を上げやすくする、そしてそれは糖尿病などのリスク、健康だけでなく美容(糖化の観点から)にも悪影響、ということは何度も何度も耳にしています。

100%の、果物から自分で絞ったジュースだとしても、そのまま食べることとの違いは何?ということなのですが、絞ることによって失われてしまう栄養もあるからだそうです。

 

たまに美意識がとても高い方で、果物も糖分が多いから(太る・糖化予防などの観点から)食べませんという方がいますが、私もそれを過剰に信じていた時期がありました。朝はまだいいけど夜はだめ、とか。

 

そしてそうかと思いきや、朝はソラレン(これはビタミンCと勘違いしている人もまだまだいるかも)を含む食材(野菜や柑橘系の果物などに含まれる成分)を食べるとシミができやすくなる、と言われたり。結果これに関してはつい数ヶ月前に実は違った!というデータをみました(!)。

 

も〜人の細胞の数は長い間約60兆個とされていたのに数年前に約37兆個に訂正されたとか、コラーゲンは口から摂取してもやっぱり効果があったとか、いつの間にか変わるので自分も情報発信するときは本当に気をつけなきゃと思う。なのでもし間違いがあったら遠慮なく教えていただきたいです。

 

話が逸れました。

 

この本ではそういったことには触れておらず、「野菜・果物は心筋梗塞や脳卒中のリスクを減らす」と書いてあります。

 

しかも、「糖尿病の発症率も果物をほどほどに食べている人の方が低いと報告されている」とまで書いてあり、「そうなの〜?!」という感じでした。

といっても果物の種類などにもよるようで、「ブルーベリーやブドウを食べている人ほど特に糖尿病のリスクが低いことがわかっている。多くの果物は糖尿病のリスクを下げるが、カンタロープメロン(赤肉種のマスクメロン)は逆に糖尿病のリスクを上げることもわかった」とも記載があり、非常に興味深いです。

本に載っていた図によると、イチゴもちょっと気をつけた方が良さそう。

 

あとはこれを聞いて、ブドウ・・・ワイン?と思い、ワインが健康に良い・悪いについては意見の分かれることもあるみたいですが、赤ワインは血糖値を下げるという先生がいたり、なるほどなぁ〜と納得してしまいました。

 

ちなみに反対に、「健康に悪いと言うことが複数の信頼できる研究で報告されている食品」もまさに、不動というか他の本などでも記載されているものとほぼ一致しています。

 

具体例)

・赤い肉(牛肉や豚肉のこと。鶏肉は含まない)と加工肉(ハムやソーセージなど)

・白い炭水化物(じゃがいもを含む)

・バターなどの飽和脂肪酸

 

え、でも・・・ということもあり、これについては後述。

 

野菜や果物の摂取量と死亡率の関係

詳細はただの引用になってしまうので省略しますが(ぜひ本を読んでみてください🌟)、「野菜や果物は食べれば食べるほど死亡率は減るものの、1日の摂取量が5単位(約385〜400g)を超えると、それ以上摂取量が増えても死亡率は変わらなくなる。つまり、1日5単位食べれば健康上のメリットは十分であると言っても良いと考えらている。」と書いてありました。

 

ふむふむ。

 

ということで、これを読んでから自分が一日何種類の野菜と果物を食べているかを数える習慣がつきました。今までなんとなく「野菜取らなきゃ!」みたいな意識でしたが、数を数えると一つの目安になります。

 

和食と地中海食、結局どちらがいいの?

 「和食は最強」「日本人にはやはり和食が合っている」などとよく耳にもするし、私が個人的に大好きなエリカ・アンギャルさんも一汁三菜を推奨しています。自分自身も日本食を食べて「あぁ〜おいしい、やっぱり私は日本人なんだなぁ」と思うこともしばしば。

 

ただこの本では「実は日本食が健康に良いというエビデンスは弱い」と書かれていました。まぁ確かに、塩分が多いとか白米の摂取量が多いとかも聞きます。そして、和食といっても一汁三菜、寿司、丼もの、ラーメン、懐石料理・・・と様々。一言ではまとめられないことも。

 

エビデンスに関して言えば、度々話題に上がり、一時期雑誌やメディアなどでもよく取り上げられていた?地中海食が、これまでの研究では健康に良いデータが一番多くあるようです。

 

地中海食かぁ・・・なんか凝ったもの作らなくちゃなのかしらと思ったけれど、地中海食の中心となるものは、オリーブオイル、ナッツ類、魚。そして野菜・果物。別に本格的な凝った料理を作らなくても、これらを積極的にバランス良く取っていけば良い、と言われたらできるかも、と思いました。

 

和食と地中海食の組み合わせが最強!みたいな話も聞きますし、結局はバランスかなぁと。

また和食のエビデンスが弱い、というのは結果が乏しいというだけではなく研究自体も少ないのかもしれません、と個人的には思いました。

 

チョコレートはダークを選べばいいの?

私も大好きなチョコレート。最近は目安としてカカオ70%以上のダークチョコレート、なるべく砂糖の含まないものを見て選ぶようになりましたが数年前までは気にせず欲しい時は食べてしまっていました。

 

そうすると、やはり太ります(笑)。砂糖の中毒性は嫌というほど耳にしますが、チョコレートが太るのではなく、チョコレートに含まれる砂糖を過剰に摂取し、「また甘いものが食べたい」欲の波がやってきて、それを制御できずにどんどん太っていった気がします。他にも考えられる原因はありますが。

 

そもそもチョコレートはなぜ体に良いという説があるのか?という話ですが、一番よくわかっているのは、「高血圧の患者の血圧を下げる作用があるということ」。

他にも色々期待される効果はあるようですが、まだまだ研究が少ない為エビデンスは弱く、今後の研究結果が待たれる、とのことでした。

 

ただこれらの研究の多くはチョコレートそのものの摂取量ではなくチョコレートに含まれるポリフェノールの一種であるフラボノールやカカオニブ由来の食物繊維の効果を見ているものも多く、砂糖の配分量にも注意してみなくては、というところ。

 

さらにこの本には「より色が黒い」ことが必ずしもダークチョコレートであることを意味しないと書いてありました。例えば、チョコレートの製造過程において、カカオの苦味をとるために炭酸カリウムが加えられるそうなのですが、それは色をより黒くする効果もあるんだとか!知らなかったです。

 

なのでやはり見た目の色で判断するのではなく「カカオ○%」の表示や砂糖の量をチェックすることは一つの目安になるようなので、引き続き上記のようなことを意識してチョコレートを選びたいです。

 

でも気づきました、私、どちらかというと低血圧気味。「血圧を下げる」以外のデータのエビデンスが弱いのなら、私には適していないのかも(笑)。

まぁ口寂しい時とか、甘いものがちょっと食べたいときなどに、他のドカーン!と甘いもの食べるより一つの選択肢としてチョコレートをつまむ、というのはありなのかもしれませんが。

 

なんとなく「良い」と思って食べる、だけじゃダメだなぁ〜とこの本を読んで改めて思いました。自分の求めているものに良いのか、とかどのくらい信頼できる研究のエビデンスがあるのか、とか。

 

他にも乳製品って結局どうなの?

卵は1日一個まで?

オーガニックって本当に良いの?

とか色々エビデンスベースの解説があり面白かったです。

 

長いけどあともう少しだけ。気になっていたもの。

 

魚には水銀などが含まれているから食べすぎない方が良い?

これね!魚が良いと知りつつも、水銀、PCB(ポリ塩化ビフェニル)、ダイオキシンなどの有害物質も含まれていると言われ、特に水銀は小さなお子様がいる家庭だと気にされている方もいるかも。

 

なんとなくしかあまり分かっていなかったのですが、この本には「水銀の量が多い魚・少ない魚」という表がありとても便利でした。

食物連鎖が上になるほど水銀は蓄積されるとされているので、やはり本マグロなどは多いに分類され、サケやアジ、サバ、イワシ、サンマ、タイ、ブリ、カツオなどは比較的少ないようなので、気になる方はこの辺りを参考にすると良いのかな、とも思いました。

 

 

高齢者は例外? 

・タバコもお酒もやるけど長生き

・めっちゃ偏食だけど長生き

・赤い肉はダメって言ってるけど、うちの祖父や父はすごいお肉食べるけど・・・

・うちの祖母は甘いものも好き

 

など、「〇〇は良い・悪い」と一概には言えないのでは?という例が身の回りやテレビに出演されるご長寿の方々にちらほら。

 

こちらの本では、「高齢者にとって最善の食事とはどのようなものなのかに関しては、残念ながらエビデンスは十分ではない」と書かれていました。そして、「糖尿病患者の血糖値コントロールなどに関して、最近では高齢者はもっとゆるめのコントロールの方がむしろ長生きできるのではないかと言う研究結果が集まってきている。おそらく同様のことが普段の食事でも言うことができると思われる。」と続きます。

 

持病やリスクが高いわけではない限りは、その人が食べたいものを食べる方が良いとか、食事を制限しすぎて低栄養になってしまうことのデメリットの方が大きいかもしれないと。確かに、お肉を食べなさすぎて筋力低下、転倒リスクが高まる、なんてことも考えられる。そういった研究結果もあるそうです。

 

なるほど〜。

本当に、個人個人で、年齢や人種、性別など、また遺伝性のあるものや、自分の生活習慣から懸念される病気のリスクなど、人によって様々だと思います。

 

学び、見つめ直し、できることから取り組んでいく、ということは心身の健康のためにも必要なことかなと思います。

 

と、こんな感じで長々と書いてしまいましたが全体的に読みやすいけれどとても読み応えのある内容で、購入してよかったなと思います。

 

日々研究は進むので、また別のデータが出てくることによって肉付けされていったり、180度違う研究結果が出てくることもあると思うので注意してみていきたいところ。

 

 

 

🌟follow me🌟

Travel: @an.wellwalk

Health & Beauty: @an.mirific

 

 

<その他参考文献>

https://www.komajo.ac.jp/uploads/healthy/2020/09/he_diary_teacher_20002_01.pdf

『ソラレンで日焼けしやすくなるからキウイは朝食NG』説は誤りだった…!?キウイ研究者が実測してた | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

Oral Collagen Supplementation: A Systematic Review of Dermatological Applications

Oral Intake of Low-Molecular-Weight Collagen Peptide Improves Hydration, Elasticity, and Wrinkling in Human Skin: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study

https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acs.jafc.6b05679

美容と深く関わる「食」の秘密(Part2) | Beauty Science News