オーガニックについて知らなかったこと
はじめに申し上げておくと、私は特別オーガニック信者(言い方が極端ですが…)というわけではなく、オーガニックでないものも使っています。
ただ最近、「オーガニックの良さ」「オーガニック商品を選ぶ意義」について、昔自分が思っていた価値観と少し違った部分が見えてきたのでここに記しておこうと思います。
(ちなみにここでは、オーガニック認証マークの付いたもの、ということを前提にお話します。)
認証マークについて
審査の基準は各国各団体によっても異なりますが、それぞれに厳しい審査基準があり、その基準を満たしたブランド、アイテムだけが認証を受けることができます。
こちらがCOSMOS ORGANICの認証マークが付いたもの。
ちなみに日本の有機JASは食品のみで、国内にはオーガニックコスメの認証機関、マークはないのが現状。
この認証マークは取得するのにもお金がかかり、農作物を作っている農家さんだけでなく、充填作業を行う工場も認証を受けなくてはならず、毎年更新が必要で、その渡航費などの交通費も申請する側の負担となるそうです!
認証マークが付いていない「オーガニック」商品もたくさん出回っていて、お金や手間がかかるから申請していない、でもオーガニックですと言っている企業もありますが、反対に残念ながらごまかしている、嘘をついている企業もあるため、認証マークが付いているか付いていないかは判断基準として大きな違いとされています。
ここがオーガニック製品の価格が上がってしまうしまう理由の一つ。
そして、私がオーガニックについて最近まで知らなかったこと。
主に2つあります。
1. 身体に良い、肌にやさしい、環境にやさしいから選ぶだけではない
これは、以前こちらの記事でもふれた内容↓
今更聞けない「エシカル」って何? - an’s diary ⚓︎
「6. そもそもなぜオーガニックコットンの方がいいのか?」の部分に詳しく書いたのですが、まず、収穫されるコットンそのものには、オーガニックも普通のコットンもほとんど変わりがない、ということの衝撃!
ではなぜ「良い」と言われるのか。
コットンは食べられない農作物と言われるくらい育てるのすごく大変で、当然たくさんの農薬、殺虫剤、除草剤、化学肥料を使う。そうすると今何が起きているのかというと、コットンを作っている人たちが、1年間で農薬などの被害で3万人亡くなっていると言われている。農薬などの被害によって健康被害で苦しんでいる人たちが約300万人いるとも。
作っている現場の人たちが実は一番苦しんでいて、作ってくれているのに使うのは私たち。そのことを知らないということは非常に危険なこと。
なので、オーガニックコットンは作っている人たちにとってやさしいということが一番。
途上国でもコットンを多く作っていて、その中で識字率が低い。農薬の説明書が読めずに素手で撒いたり、マスクをしないて撒いたりして、その結果病気になってしまうことも。。。
それから環境にとっていいということ。農薬や除草剤が地中に入っていくとそこから排出される水が汚染されたり、土が硬く悪い土になっていく、そうすると新しく強い農薬を使わないと育たなくなっていくという悪循環が起きる。すごく難しい問題。
つまり、オーガニックコットンは生産者と環境に良いもの、ということ。
このような背景を踏まえ、だからあえて「オーガニックを選択する」という人がいる、ということを割と最近まで知りませんでした。
自分の肌や身体、環境を考えるだけではなく、生産者のことを考え、少しでもサポートをしたい、と考えるから選択する、ということ。
そしてもう一つ。
2. 何が入っているか、成分を可能な限り明確に知りたいという観点
化粧品の話になります。
例えば植物由来、という言葉をよく聞きますが、実はこの考え方には大きく二つの考えがあるらしく・・・
①植物そのままでは使えないけれど、それを加工して一部の成分をとり、それを原料として使う(オーガニックの認証を受けることができる場合もある)
→ ふむふむ、まさにそれを植物由来というのよね、と思いました。
②植物からとれた成分と同じ化学構造式のものを人工的に作成したもの、これも植物由来と言っていい!
→ え!そうなの?!?!
よく香りも100%純粋なものと合成のものがあると聞くと思いますが、合成のものは、例えばラベンダーやローズの香り、フローラルの香り、シトラスの香り、と書いてある柔軟剤や芳香剤。あれはラベンダーやローズ、シトラス系の何かの特徴的な成分を現代の科学の技術によって人工的に作り出したもの。本物の香り、100%純粋な精油と比べ、香りの奥深さが大きく異なります(どんどん近しい香りも出てきているようなので、技術の進歩はすごい!ですが)。
それと同じように、「植物由来」というものも何か使用する植物の成分を人工的に作り出し、それも「植物由来」と言えるんですって!!!
ひぇー!
そして、それが日本の成分表示にはどこ由来なのかなどの記載の義務は現時点でないそうで、例えば「オリーブ油」と書いてあるものは実際にはどんなオリーブオイルを使って作った化粧品なのかはわからず、高品質と呼ばれる色の濃い香り高いオリーブオイルも、安い透明な「これ本当にオリーブオイル?」というものも「オリーブ油」として表示される、ということだそうです。
その代わり、「オーガニック認証マークの付いた」化粧品はそういった懸念がない為、1つ1つの成分を明らかにする、という規制でもあるということだそうです!
知らなかった。
オーガニックは、ただの流行や、何となく人や環境に良さそう、というだけでなくこんな裏話もあるんだな、と。
とは言え自然のものだから肌にやさしい!とは一概に言えない理由もあります。
自然のものだから安心とは言えない理由
自然なものの方が肌に良い、と思って使ったら肌が敏感になってしまった、という方も中にはいて、その理由の一つに100%自然なもの(精油でいうと100%純粋なもの)は成分が完全に解明されていないため、何か起きたときに何の成分が原因で肌トラブルが起きてしまったか、などと断定できないことがある、ということです。
その反面、合成のものは何の成分がどのくらいの割合で入っているか(作っているので)もちろん全てわかっており、判定しやすい、ということ。
なので、自然なもの、全てオーガニックだから肌に良い、などと決めつけてしまうのは危険、といわれる理由の一つはここにあります。
そして、その分腐りやすいという懸念点もあるので、消費期限(食品であれば賞味期限)に気を付けながら使用する、ということも大切です。
私も以前、すごく良い!と思って使っていたオーガニックのバームを、季節柄乾燥しなくなって使わないで放置し、半年以上経って残りを使おうとしたら香りが変わっていて(明らかに酸化してる匂い)、使用してみても全然良いと思いませんでした(笑)。
安いものではないので使い切りたいけれど、期限内に、と考えると難しい、と思うこともあるので全てオーガニックにできない理由の一つ。
でもこういった話を聞くと、色々考えないとなぁ、と思わされる。
〇〇オーガニックと思いきりブランド名に入っていながら認証マークなし、というブランドもあるので、何だか本当に嫌な世界。消費者が混乱します。
そう、私も含め、めちゃくちゃ混乱することの多いこの業界。
世の中そんなことばっかりかもしれないけど、自分が携わる業界のことは特に、一つずつクリアにしていきたい。
参考文献
よくある質問 | エコサート・ジャパン [ECOCERT JAPAN]
USDA / オーガニック認証マーク【アメリカ】 – Organic Press
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