クルーズ船で働くセラピストになりたい!と思ったら、考えるメリット、デメリット。
どんな仕事にも良い点と悪い点がありますが、クルーズ船で働く環境は本当に特別なので、正直行った人にしかわからない。
どんなに話を聞いても、100%理解できることはないと思う。
これは、実際に働いたセラピストが口を揃えて言います。
それは、船の上という環境自体が特別なのもありますが、
というのも、
行く船、マネージャーによって状況も違うから。
ちなみにこちらはスタイナーという会社の話。
クルーズ船セラピストといったら、ほとんどのクルーズ会社はこちらのスタイナーからスパのメンバーは派遣されます。日系クルーズ船は違いますが。
私は今のところ3隻、2つのクルーズラインを経験させていただきましたが、それだけでも本当に大きく違う!ということを思い知らされました。
今まで書いてきた記事も、本当の話だから嘘ではないけれど、別のところに行ったらルールが若干違う、稼ぐ金額も違う、生活環境も若干違う・・・。
なので、たくさんの方がブログを書いていると思いますが、だいたいみなさんマイナス点はそんなに書きません。良い部分だけを夢みて?イメージしていくと、ギャップに驚かれることも多々あると思います。
クルーズ船で働くにあたって、莫大な時間と労力、そしてお金もかかっていると思うので、行ってから思っていたのと違った、といって辞めてしまう方をこれ以上みたくありません。
そんな方の少しでもお役に立てれば、と思い、この記事を書きたいと思います。
まず、気になる陰の方、デメリットの方から。
・希望の船になるとは限らない。
・船によっては本当に稼げない。
(最低賃金の月800USDになる可能性あり。これは今だと日本円でたったの8万円ほどです。2016年9月現在)
・完全歩合制のため、お客様がいないと基本0円。
(それにも関わらず、ストック整理などの重労働をタダ働きさせられる)
・完全歩合制がゆえに、他のセラピストとお客様の取り合いになることも。
・売上は、サービスもそうですがリテール、物販中心にかなりのプレッシャーをかけられる。
・売上が悪いと特別トレーニングや、本社の上司と面談させられることもある。
・本社の人間には、人間とは思えないほど意地悪な人もいる。
・トレーニングの内容はさまざま。夜だけでなく、早朝の可能性もある。
・お客様がいないと、ほぼ1日中プロモーションに立たされるときがある(ただし、船によってはプロモーションできない船、又は時間帯などがある)。※ここでいうプロモーションはスパの外にあるプールデッキやLIDO、別のエリアでテーブルなどをセッティングし、お客様を取り込んだり、物販をすることです。
・そんな状況で1日12時間労働。(忙しい船では残業もよくあります)
・週に1.5時間の休みが保障されているが、主に3日間に分けて休みをもらうため、1日中オフという状況はほとんどない。
(9カ月間フルデイオフなし、という状況もあり。)
・残業した分のtime backなどは基本的にもらえることになっているが、マネージャーによっては聞きにくい人や状況になり、結局聞けずにサービス残業に終わることも。
・せっかくの休みでも、船の避難訓練やトレーニングなどで外出できないときが多々ある。また、ポートマニング(IPM=In Port Manning)といって、オフのときでも外出できない人に当てられるときがある。
・理不尽なオフがある(これはマネージャーによりますが、意地悪なマネージャーには変な時間帯にオフにされ、観光などする外出の時間がない、ということがありえます)。
・クルー用の船の食事がとにかくまずいし、飽きる。
・日本食が恋しくなる。
・洗濯したいときに洗濯機が空いていないことあり。
・船内の水の質が良くないので、弱い人は肌や髪が傷みやすい。
・ルームメイトがいるのが基本。一人部屋は滅多に取れない。
・部屋は本当に狭い。
(参考→ クルーはどこに住んでるの?)
・寝たいときに周りがうるさくて眠れないこともある。
(パーティーや音楽、話し声など)
・気分が悪いのに船の医者によっては基準が厳しく、休ませてくれないことあり。
・医者、メディカルセンターにもノルマがあるので意味不明の薬も一緒に渡されることがある(!)。(薬や治療費は会社持ちなので個人の負担にはなりませんが、自分の身体に取り入れるものなので慎重に。)
・ラグジュアリー船になるとゲストエリアに立ち入り禁止などの制限もあり、ショーなど全くみれないことも。
・日本人ゲストが多い船以外は、日本人クルーも少ない(または全くいない)。日本人一人の環境でやっていけるかどうか、ホームシックになってしまう可能性も。
・英語は喋れるに越したことない。喋れないと下に見てくる仲間や、嫌な思いをすることがあるし、何より自分のストレスに繋がる。
・契約終了までに家に帰りたい場合の交通費は自腹。
・2回目以降のコントラクトでも、往路の航空券などの交通費は自腹。(復路は会社持ち)
・コントラクトが長すぎる(他の部署は3,4カ月、長くても6,7カ月が多いにも関わらず、スパは9カ月。この状況が9カ月続くと、どんなに優しい人でもたまにagressiveになるのも理解できます)。
・とにかくストレスとの戦い。自分一人の時間はほとんどなし、常にスパの仲間と一緒なので、馬が合わないとつらいです。
・ボーナス等はなし。基本的に稼ぎはお客様のチップ。
・休んだら、その分のお給料はなし。
・為替の動きに左右される。(日本円に換算する場合)
・ネット環境が悪い、料金も高い。
・世間のニュースに疎くなる。
・出会いは主にクルーバー(クルー専用のバー)。遊び人も多いので真剣に恋人探しがしたい人は難しいかも。そして、日本人女性がイメージする”外国人”は、先進国出身。船で働くほとんどの人は発展途上国出身です。差別的発言になりそうですが、それが現実です。そして彼らのほとんどは、既婚者または彼女持ちですが、嘘をついていて泣いている女友達を何人も見ました・・・。
・狭い世界なのでどこにいても同じメンバー。誰かと一緒にいると、あの二人は付き合っているの?とすぐに噂になります。
・せっかく海外にいてお土産などたくさん買いたいのに9カ月間の荷物の多さに諦める。
・船酔いがある。(人にもよりますが、船の大きさや天候、船の動くスピードなどによってはかなり揺れることも。)
では次は陽の方、メリット。
・色んな国や場所へ行ける。
(世界一周も夢じゃない。1コントラクトで最高40カ国ほど周れる。)
・クルー用の割引がある場所やツアーも多数ある。
・英語力は嫌でも上達する。
(船内の公用語は英語。その他の言語も学ぶ環境は整っています。)
・完全歩合制なので、自分の実力次第で稼げる。(アメリカ船が主に良いです。)
・ノルマ達成などから、インセンティブとして時間ももらえる
→外出時間が増えるので、観光する時間が増えたり、早く仕事を終えて休める。
・住居費、光熱費はかからない。食費は船内で食べる場合はゼロ。ただし有料レストランは別料金。
→給料が低くても使う場所が少ないので貯金できる。
・通勤時間は数分。
・世界中に友達ができる。
(余談ですが、船上ではゲイ率が高いので、ゲイのお友達が増えます。彼らは良い相談役だったり友達になれるので私は大好きです♪)
・契約期間中の医療費は基本会社持ち。
・トレーニングでかなり鍛えられるので、知識は増える。(特にデトックス系)
・マッサージ、フェイシャル、ヘアカット・カラー・トリートメントなど、無料で受けられる。(反対に無料で自分がやることもある)
・サウナやスティームルーム、ジムなどのスパ施設も無料で使用可。
・スパの部屋からオーシャンビューが見える。
(働く環境が常に違うのは、特別だと思います。ただしこれはスパや割り当てられた部屋によっては窓なしの可能性もあり)
・どんなに嫌なことがあったりストレスが溜まっても、1日の終わりに海をみるとどうでもよくなる。いつも違うところに出かけられるので、外出をして気分転換になる。
・船内のエンターテイメントに参加できる。ショーや映画をみたり、クラブに行けたり、ウォータースライダーを体験できたり・・・。(ショーはものによってはとてもレベルの高いものを無料でみれたりします!特にロイヤルカリビアンは有名。)
・船によっては、ゲストエリアで食事を楽しめる。
・クルーバーの飲料、アルコールやタバコなどが安く手に入る。
・スパで取り扱うスキンケア商品などが割引価格で手に入る。
・外出先で、日本では買えないものや、安く手に入るものなど買い物を楽しめる。
・家族や友人を船に招待できる。宿泊料割り引きなどもあり。
・一生の想い出、人生で大切なことに気付かせてくれる経験になることは間違いなし。
まだまだメリットもデメリットも出てきそうですが、主にこれくらいかなぁ?
クルーズ船セラピストを目指している方の目安になれば、と思います。
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