an’s diary ⚓︎

イギリスセラピー留学を経て、豪華客船で働く船上スパセラピストへ。海外生活の話や旅日記、美容・健康情報などを綴っています。

鍼灸は地味じゃない!

豪華客船のスパには、様々なサービスがあります。

 

スパはトータルビューティーサロンでもあり、トータルヘルスケアの場所でもあります。

 

 

その中でも私がまだ乗船して間もない頃、 “意外に” 人気だと思ってしまったのが・・・

 

 

Acupuncture (鍼灸、鍼)

 

 

今考えると鍼灸師の方々に本当に申し訳ない

 

 

古くから中国や日本で発達したこのtreatmentは、日本人の、特に若者とっては少し地味で、鍼灸院はお年寄りが通っているようなところで、膝が痛いとか、ぎっくり腰だとか、身体にどこか痛みがないと行かないような場所・・・

 

そんなイメージがついてしまっている気がします。

 

 

そんなacupunctureが、実は世界ですごく注目されているって、日本人の一体どのくらいの人が知っているのでしょうか。

 

私は正直、数年前に船に乗るまで知りませんでした!

 

 

でも、次から次へと予約が入り(船や旅程、そしてもちろんその鍼灸師の手腕にもよります)、お客様も鍼灸について興味があり、結構質問してくる。

 

 

普通、豪華客船に乗って鍼灸受けようって思います???

 

 

日本人からしたらそんな発想、あまりないと思います。

 

 

でも、例えばクルーズ常連のアメリカ人からしたら、たまたま乗った船に腕の良さそうな、本場の中国人や日本人の鍼灸師に出会ったら・・・!

 

 

船には色々な人がお客様として乗っています。

 

一生に一度のような、旅行。

ハネムーン、家族旅行、何かのお祝いが一般的ですが、もう何度も何度も同じ船に乗る人もいます。

 

特にアメリカでは日本に比べてクルーズ旅行がとっても身近!

 

 

「ここに行きたい」

というよりも、

 

「この船に乗りたい」

 

そんな人も多いのです。

 

 

若者たちは寄港地で降りてアクティビティを楽しむけど、一緒に来たおじいちゃん、おばあちゃんは船の上で日向ぼっこしたり、プールで泳いだり、映画をみたり、ずっと食べていたり(笑)、特に船を降りない人も結構いるんです。

 

そういう人がスパに来たりします。

 

中には車椅子や杖をついている方々も多い。

 

気になっていた鍼灸、この機会に受けてみようかな?とか、スパでフェイシャル受けてみようか、マッサージ受けようかなぁとかなるんです。

 

 

 

実際に、クルーズ中に何度かトリートメントを受けて、腰の痛みや膝の痛みがものすごく良くなった!というお客様もたくさんいます。

 

数回のトリートメントで車椅子だったのに杖で歩けるようになった人もいるとか!

 

 

Acupunctureは筋肉や関節などの痛み系に強いと言われていますが、それ以外にも精神的なストレスの緩和、ダイエット、禁煙、更年期、不妊治療など様々なお悩みに対応することができます。

美容鍼としても近年注目されてきてますよね!

 

最近は、割と若い人にもその良さが伝わり始めているのかな?

美容系の業界の人には、そんな印象が見受けられます。

 

また、船の上ならでは、ですが、船酔いにも効くとのことで、お客様はもちろんのこと、私たちクルーもお世話になっておりました。

 

 

 

日本では、鍼灸師をはじめ、国家資格を持っているあん摩マッサージ指圧師の方々からすると、エステ、リラクゼーションのトリートメントはグレーゾーン。日本語で「マッサージ」とは呼べません。

 

長年にわたり勉強し、きちんと資格を取ってやっている彼らに、地味だなんて本当に失礼な話。

 

でもそんな印象を付けてしまっている従来のやり方もよくないですよね。

 

 

船の上の鍼灸師はオンとオフのバランスが取れた、かたすぎないとてもフレンドリーな方が多いです。

 

残念ながら日本人の鍼灸師の方とはご一緒したことないのですが、中国人、ポルトガル人、カナダ人など、みなさま頭が良くて真面目だけどよく遊ぶ楽しい方々でした。

 

 

私は初めて乗った船とその次でたまたま同じ中国人の鍼灸師の人と一緒で、よくふざけあって色々と楽しませてもらいました。みんなの人気者です。

 

 

 

 

で、実際ハリを身体に刺すってどうなの?

痛くないの?

 

 

という話ですが、意外とというか全然大丈夫でした。

 

 

鍼灸に使う鍼は、色々あるようですが、髪の毛くらいの太さのものもあったりで、場所によってはささっていることを忘れるようなくらい全く何も感じないことも!

 

少しチクっとするところもありましたが、別に耐えられないわけではなかったです。

 

 

効果もあります!

 

船酔いにも効いたし、腰の痛みにも効いたし。

 

 

あと、一度船の中で食べたお寿司のマグロにあたり(私を含めスパガールズ3名)、いわゆる食中毒とやらになったのですが、次の日には完治してました(笑)。

 

あれには色んな意味でびっくりでしたが!

 

 

 

鍼灸師になるためには、ドクターのようなライセンスが必要で、非常に繊細な職業だと思います。(ドクターライセンスを持っている人もいるそうです)。

 

 

まだ近代の医療が発達する前、昔の人は何で治療をしていたか?

 

人の舌を見て、鼓動をチェックして、健康状態をチェックしていました。

 

抗生物質などの薬が出る前、漢方、ハーブを飲んだり塗ったり、身体に取り入れていましいた。

 

 

オフではあんなにおちゃらけている船の上の鍼灸師たちも(笑)、仕事になると真剣な表情で様々なお客様のお悩みに対応、助けていました。

 

本当、人助けだな、という瞬間も何度か見ました。

 

 

全然地味じゃなかったです。

 

 

鍼灸を身近に感じさせてくれたクルーズでの仕事に感謝。